10年ぶりのホームのランカーヒラスズキ 90cm

あれは10年前。
自分が中学1年生だった頃。
この銀鱗に憧れて、初めて磯に立ったあの日から10年。

90cmオーバーのヒラスズキを夢見て何百回磯に通った事だろう・・・

あれから10年。遂に今日、その夢は叶った・・・!!

大魚晩成!!
~10年越しの夢~

2014年4月7日

この日は月曜日。 前日までの土日で、ベイトのいるエリアは絞り込めた。

しかし釣っても釣っても磯マルばかりで、ヒラスズキの入っているエリアが絞り込めずにいた。

唯一この土日で叩いていないエリアに狙いを絞り、朝イチはそのエリアで最も実績の高い磯へとエントリーした。

しかし、ここでも釣れたのは磯マル。(80超えなんだけどね。)

イワシは入っているのだが、ヒラの付き場を撃ってもマルスズキばかりが飛び出してくる。

1か所目から上がってくると、既に朝マヅメは終了の時間。

「さて、どうするか。」

ふとした閃きで、自分が昔ホームポイントとしていた磯へと入釣。

丁度ローカルアングラーの先行者が帰り、入れ替わりでのエントリーとなった。

10年前、このポイントから僕のヒラスズキ釣りは始まった。

しかし、地形の難しさと他のエリアに比べての魚影の薄さに挫折し、一度は離れたホームポイント。

そのポイントで初めて立った立ち位置の岩に乗り、昔散々通った磯を見つめる。

昔は複雑な地形に対して攻め方がわからず、 無駄にルアーを失くし、魚からのバイトも得られなかったのだが・・・今日数年ぶりにこの立ち位置に来て思った。

「今なら投げる場所、見せる場所、食わせる場所がハッキリとわかる。」

自分の腕の未熟さ、経験不足を恥じ、このままでは行けないと2度の九州遠征で修行を積み、世界が変わった。

壱岐島遠征で大川漁志さんの釣りから、「魚へのルアーの見せ方、流し方」を目で盗み、

先日の鹿児島遠征では、 「予め見せる場所と食わせる場所を決めてから撃つ。」 と言う事をヤマメ釣りで学び、

時間が無い中でパッとポイントを見て撃つ場所を決める「目利きの力」を鍛える事が出来た。

長い時間をかけて腕を磨き、久々にホームに還っての1投目。

凪の海にセットの波が入り、身体が反射的に抜群のスポットへルアーを撃ち込んだ。

最高のコース、見せ方、流し方・・・完ペキ。

そしてこの魚は、僕を待っていてくれた。

強いアタリに一呼吸入れてアワセを入れると、水面で大きな魚が顔だけ出してエラ洗い。

「デカイ!!!ヒラスズキだ!!!」

ただでさえ根が複雑に入り組み、取り込みが難しいこのポイント。

エラ洗いさせて水面に魚を出した方が良いのか、
それともセオリー通りにエラ洗いしたら竿を寝かせたら良いのか。

そんな考えが一瞬頭をよぎったが、自然と体は大魚の引きに対して落ち着いて上手くファイトしていた。

しかしこのポイント、魚を波に乗せて岩を2つほど越さないと絶対に魚を足下まで寄せる事は出来ない。

必死のファイトをしながら、沖で盛り上がるセットを見て、タイミングを合わせて岩を越す事2回。

ようやく魚の姿が見えた。

あの11kgのヒラマサと闘った時と同じ感覚。

「あんなデカイのと、俺は闘ってるのか・・・?」

足下まで来ても何度も強い突っ込みで、必死に暴れ回る大魚。

少しずつ慌てずに奥のスリットへと誘導。

今日は単独釣行。誰も助けてくれない。

落ち着いて、最後の取り込みまで自分でやらなきゃいけない!!!

最後の最後、ズリ上げスポットまで魚を誘導し、寄せ波1発、レクシータのバットを掴んで一気にズリ上げ!!

すかさず魚に飛び掛かり、魚を抱きかかえたその瞬間、心が震え、身体の力が抜け落ちた。

デカイ・・・!

デカイ・・・!!

85はある・・・!!

そこへヒグマさんとペガサス岩田さんがやってきた。

「よし――――!!獲ったのか!?!?」

「やった!!!!!やりました!!!デカイです!!!」

「デケェ!!!!やった!!!!おめでとう!!ちゃんと計った方が良いぞ!!」

震える手でメジャーを当てる・・・

「・・・90ある。」

ヒラスズキ
90cm 6.6kg

10年越しの夢が叶った瞬間。
お陰様で磯の上での嬉し泣きは、11kgのヒラマサを含めて2回目だ。

磯のヒラスズキを初めて最初に立った磯の、全く同じ立ち位置でのヒット。僕を待っていてくれたように思えてならない。

ヒットルアー サーフェスウイング120F ブルピンいわしゆうきver.(JUMPRIZE)

自分の10年越しの夢を叶えてくれた、最高のルアー。
本当に本当に本当にありがとう!!!!!

自分の先発。パイロットルアーにして食わせの最終兵器。

時間の無い出勤前釣行を繰り返し、サーチ力と食わせを両立できるルアーを探し求めていった結果、このルアーに辿り着いた。

タックル

ロッド:レクシータ9.9(ECLIPSE)
リール:セルテート3012H
ライン:ヴァリアントPE1.2号(ECLIPSE)
リーダー:フロロ25lb(よつあみ)
接続金具:ハードロックスナップ #1(XESTA)
ルアー:サーフェスウイング120F (JUMPRIZE)

この時から10年。
途中ドリフトに狂ったり、ヤンチャな遊びに夢中になったり、女遊びにハマって釣りから数年間遠ざかった時期もあり、完全に10年やり続けてきた訳では無い。

それでも磯に立ってこの銀鱗を狙う時は、いつも10年前と同じ夢を抱いて釣りをしてきた。

この10年間、自分自身色々あって遠回りもしたけど。
巡り巡って還るべき場所にやっと帰って来れた。

色んな遊びをして来たけど、

「やっぱり俺は、釣りが1番好きだ。」

記念すべき魚なので魚拓を取って貰いました。
釣り仲間の同僚の方にお願いし、最高の魚拓に残して貰うことが出来ました。釣った時はギリギリ7kgあったけど、1日後にキチンと計測してもらうと6,6kgでした。

この魚拓は、自分の宝物です。

「大魚晩成」

この魚に出会うまでに応援してくれた沢山の人、
自分の経験値を上げてくれた魚達、沢山のフィールド。
そして、共に戦ってくれたタックル。

この場を借りてお礼を言わせて頂きます。
本当にありがとうございました。

僕の挑戦はまだまだ終わりません。

これからも心が震える1匹を求めて、そして更なるサイズアップを目指して、走り続けます。

これからも応援よろしくおねがいします!!

鈴木 良幸

ホームページ:房総days