香川のランカーシーバス 95cm

シーバスフィッシングを始めてから3回目の冬。

これまでヒラスズキは遠征時のマグレで80cmが釣れた事があったが、マルスズキでは76cmが最大と、どうしても80cmの壁を越えられずにいた。
しかも1月・2月の厳寒期には地元である香川県内でシーバスを釣った事はほとんどなく、かなりの苦手意識を持っていた。
事実今年も1月は行けども行けどもノーフィッシュ。
相変わらず冬シーバス攻略の糸口が掴めずにいる状態だった。

そんな2007年2月6日

いつものように子供が寝付いてから午後10時前に自宅を出発。
風もなく真冬にしては温かい夜だった。
中潮で満潮が深夜の1時過ぎなので、潮はどんどん上げてくる時間帯だ。

1ヶ所目のポイントは、香川県中部の河口で昨年夏から秋にかけてはよく通ったポイントだ。
しかし真冬はやったことがなかったので様子見のつもりだったが、久しぶりに訪れたマイポイントはベイトの気配も皆無で何の反応も得られなかった。

30分程で見切りをつけて別の川の河口ポイントへ移動。

2ヶ所目のポイントに到着してまずは橋の上から川を覗き込む。
すると潮は下流から上流に向かいミオ筋に沿ってゆっくり流れており、橋の明かりで照らされたミオ筋周辺には、ボラが大小入り乱れて群れているのが確認できた。
水深は浅いところで50cm程度、深いところでも1m少々だろうか。
ベイトも居るし流れも効いている。
シーバスの魚影までは確認できなかったが、入ってきていてもおかしくない状況だと感じる。

早速護岸に降りてキャスト開始。
・護岸際
・橋の真下の明暗境目
・橋脚
・ミオ筋など底の地形変化
・流れの変化している場所
怪しいと思えるスポットへ何度かルアーを通してみたが反応はない。

ここもダメなのかと思い、別の川でウェーディングしている釣友の川上さんに電話して状況を聞いてみる。
状況がよさそうならそちらへの移動も考えたが、あちらもベイトは居るもののノーバイトとの事。
潮位が上がってこれ以上のウェーディングは危険なので、これからこちらに来るという事だった。

彼が来るのを待つ間、自分はこの場所でもう少しやってみる事にする。

シャロートプスを橋の照明が届かない暗い場所にフルキャスト。
デッドスローで巻きながら、ゆっくりと上流に向かう流れに乗せてルアーを引いてくる。
すると突然グンッとロッドが引き込まれた。
半ば諦めかけていただけに突然のヒットで驚いたが、魚が大きく首を振る感触がロッドに伝わってくる。
追いアワセを入れ、落ち着いてファイト開始。
なかなかの重量感ではあるが、ダッシュする事もなく首を振りながらも少しずつ寄ってくる。
手前まで寄ったところでヘッドランプを点灯し魚を照らしてみると70cmはありそうだ。
ルアーが顎の下側にフッキングしているのが見えた。
水面でイヤイヤをするようなエラ洗いを何度かしたが、足元まで寄って来たので玉網を差し出す。
しかしなかなか上手く魚を玉網に誘導できない。
フッキングもテールフック1本のようなのでヒヤヒヤものだ。
それでも何とかタモ入れ成功。

護岸に横たわった魚を改めて見ると、アフターで痩せてはいるものの意外と大きく80cmは超えていそうだ。
前述のとおり、これまでのシーバス自己記録はマルスズキが76cmだったので、自己新記録更新は間違いなさそうだ。
ライジャケのポケットからメジャーを取り出し、魚にあててみて驚いた。

なんと90cmを軽く越えている。
もう一度測り直したが間違いなく95cm

写真を撮るために防寒着のポケットからデジカメを取り出す。
デジカメを持つ手が興奮で震えていた。

写真を何枚か撮った後、体に付いたヒルをとってやり、十分蘇生させてからとりあえず魚をストリンガーに繋いでおく。

それからHAMAさん(爆速90UP達成者ファイルでメーターオーバを2連発している人です)に電話する。
「もしもし・・・、やりましたぁ」
「おっ、やったんですか?サイズは?」
「90超えてますぅ」
「えっ?…それマジで言いよん?」
「大マジですぅ」
「じゃあ写真撮りに行きましょうか?」
「はい、お願いします」
という事で、程なくしてHAMAさん到着。

こちらに向かってきていた川上さんも後から到着。
魚をストリンガーから外してHAMAさんにブツ持ち写真を撮ってもらう。

写真撮影後は再びゆっくり時間をかけて蘇生した後リリース。
ありがとう!

ゆっくりと泳ぎながら暗闇に消えていくシーバスを見送ったら、なぜか全身の力が抜けてしまった。
護岸のコンクリートに座り込んで、星空を見上げながら煙草を一服。
HAMAさん・川上さんと握手を交わし、喜びと感動の余韻に浸りながらしばしの談笑を楽しんだ。釣りとは日常生活では味わえないような、震えるほどの興奮を得る事のできる遊びだと思う。
また明日からこの感動を夢見つつ、釣れない日々に逆戻りだ(笑)

【Takcle & Lure】
ROD:TENRYU SR MASTER SRM86L
REEL:SHIMANO BIOMASTER 2500
LINE:DUEL X-wire 14lb
LEADER:KUREHA Seager4号
LURE:SAURUS ShallowTops レッドヘッド

※しまっ・・・深夜釣行